グローバル化が進むと同時に、それに対しパラドックス(逆説)という反作用が起きます。
そこから生まれた消費者の不安や欲求は、彼らの社会、または世界全体を寄りよい場所、理想的な場所にしたいという思いに繋がってきます。なのでアイコン(象徴)になりたいと思う企業が、消費者のマインド、ハート、精神に訴えかけるためには消費者の不安や欲求を特定し消費者と同じ夢を持ち、世界に違いを生み出す必要があります。
「ミッション」「ビジョン」「価値」とは
「マーケティング3.0」価値主導マーケティングのためには、企業は、ミッション、ビジョン、価値を明確に定義しなければいけません。
①ミッション
コトラーは「その企業の存在理由」と定義しています。その企業が、何のために存在しているかを出来る限り基本的なレベルで言い表すものであり、また企業のミッションは変えることが出来ない核になり、そしてその核を中心に方向性を一致させていくという事です。
②ビジョン
ビジョンは、未来を生み出すためのもので、企業の望ましい未来像を描き出したものになります。どのような企業になり、何を達成させたいかで、またビジョンは核であるミッションの定義を考慮して描き出される未来のイメージになります。
③価値
価値は「企業組織としての行動範囲」で、企業が何を大切にしているかを表すものになります。また「企業」は一般に同一の価値サイクルに従い動くので、コトラーは価値を「車輪」として表しています。
企業内にそれを取り込むことで、会社内のコミュニティに役立つ「行動の強化」と「価値の強化」を図ります。つまり価値を基準にした下記のマトリックス例で、社内の価値観を明確にし、統一を図り、また、社外(消費者、チャネル・メンバー、株主)に対しても、明確にしていくことが求められます。
*価値ベースのマトリックス例
マインド | ハート | 精神 | |
---|---|---|---|
ミッション (なぜ) | 満足を届ける | 願望を実現する | 思いやりを実践する |
ビジョン (何を) | 利益を生み出す | 投資収益を生む力 | 持続する力 |
価値 (どのように) | より良くする | 差別化する | 違いを生み出す |