顧客から「対価」をもらう事で初めて利益が生まれますので、「価格」を決定する事は、マーケティングにおいて非常に重要な部分になります。会社の売上に繋がる唯一のキャッシュ・ポイントとなり継続的経営を続けていく上で大きく左右する事にもなりますが、適正な「価格」を決定すると言うのは、とても悩む部分でもあります。
価格設定
価格を設定する上で主に考慮する事柄は主に以下のことになります。
・顧客の需要:Customer’s demand (顧客側の視点)
・競合他社の価格:Competitor’s prices(他社との比較)
・コスト:Cost(自社側の視点)
これらの「顧客の需要:Customer’s demand (顧客側の視点)」「競合他社の価格:Competitor’s prices(他社との比較)」「コスト:Cost(自社側の視点)」の頭文字をとった3つのCを考えていく必要があります。
「コスト:Cost(自社側の視点)」は価格の下限を決め「競合他社の価格:Competitor’s prices(他社との比較)」は自社が設定する価格の調整点になり「顧客の需要:Customer’s demand (顧客側の視点)」とは、これ以上の価格では需要が見込めない上限の判断になります。
主に、以上の3つを考慮し、以下の方法などで決定していきます。
コスト志向の価格設定
基準となるのは自社のコストなので、自社側の視点のみの判断になり、利益を確実に出るように価格を設定していく方法です。
①コスト・プラス法
最も基本的で分かり易い方法として、掛ったコストに対し一定的な利益額、利益率をプラスした価格を設定します。
②マーク・アップ法(マーク・アップ:値上げ、値上げ額などの意味)
主に、小売業者や卸売業者などが価格の設定をするときに使われる方法で、メーカーや製造業者からの仕入原価に利益額や利益率を加えて販売する方法になります。
つまり、もし卸売業者が製造業者から製品を10000円で仕入れたとしたら、小売業者に10000円に利益額や利益率を加えて販売します。小売業者は製造業者や卸売業者から仕入れた価格に、利益額や利益率を加えて消費者に販売します。
小売業者:製造業者、あるいは卸売業者から仕入れ消費者を対象に販売します。
卸売業者:製造業者、メーカーから製品を仕入れ、小売業者を対象に販売します。
仲介的な役割を担っていて、卸売業者が間に介在する事で需給調整、流通の整備、短縮化されスムーズに取引が可能になります。
製造業者:原材料を加工し製品を生産し、小売業者、卸売業者を対象に販売します。
小売業者A、B、C、Dと製造業者A、B、C、Dは、各々との取引になり流通経路が複雑になってしまいます。
製造業者A、B、C、Dは、卸売業者A、Bとの取引にまとめられ、小売業者A、B、C、Dは、卸売業者A、Bとの取引から選ぶ事が出来、仕入れルートが短縮されます。
③ターゲットリターン価格設定
企業が目標とする投資収益率(ROI)を生むように価格を設定する方法です。
投資収益率(ROI)とは、投資した資本に対して得られる収益率で、利益を投資額で割ったもので、例えば100万円の事業投資をし、投資収益率(ROI)20%を目標とした場合、120万円の利益が目標とされます。
100万円の投資で、製品100個生産できたとしたら製品1個あたりのコストは「(100万円)÷(100個)=10000円」になります。
なので目標の投資収益率(ROI)20%なら、1個あたり12000円の価格設定になりターゲットリターン価格は12000円となります。つまり、投資額に対し生産できる数(販売数)と1個あたりに掛るコストを明確にした上で、価格を設定する事になります。