このページは価格戦略 2競争志向の価格設定の続きですので読んでいない場合1から順に読んでいただくと理解が深まります。

需要志向の価格設定

需要志向の価格設定は、消費者や顧客が製品、サービスに対し「どの程度まで価値を認めているのか」カスタマー・バリューに基づいた価格設定法になります。

これは、顧客側の視点での判断になり、

「これ以上の価格では需要が見込めない、売れない」
「この製品、サービスに対し、いくらまでであれば支払うのか」

などの観点から価格を見極めていく事になります。

①知覚価値価格設定

商品、サービスが売れる価格帯をリサーチし、その価格に見合った価値を提供していく方法です。

例えば、低価格の15000円以下だと低品質のイメージを持たれ売れにくく、高価格の35000円だと高すぎて売にくい場合、市場で売れる価格帯が15000~35000円の間となります。

そして、その価格帯でも利益が出るようにコストを抑えていく事になります。もしも高価格で販売するのであれば、その値段に見合う価値がある事を消費者のマインドに知覚させ納得させる必要があります。

また、製品、販売ルート、販売法方、広告、パッケージ、保障、サービスなど、他のマーケティング・ミックス要素においても一慣性が重要になり「高品質だから高価格、なのに梱包が雑で保障、アフター・サービスが悪い」だと、消費者に失望されその値段でも価値があると判断されにくくなってしまいます。

なので「高品質だから高価格、しかも梱包やアフター・サービス、保障にいたるまで丁寧」と知覚され、またそれらが実行でき約束する事が重要になります。つまり、「価値」は様々な要素のトータル的な事になり、その価格が「高いか」「安いか」「妥当か」なのか消費者の感情で判断されます。

②需要価格設定

時間帯、年齢、時期、場所など、様々な条件変化の影響で、需要動向も変化してしまいます。なので、需要動向の変化に応じて価格を上げたり、下げたりなどの設定を行います。

例えば、季節物の衣料品であれば時期の終わりに近づくと需要が減り在庫を抱えてしまう事も多くあります。そこで売れ残りを極力減らすために在庫一掃セールなどで価格を下げたりします。また、スーパーや弁当販売店などでは、閉店時間が近づくと鮮度も落ち、また、売れ残る(需要が減る)可能性もあるので、半額などにし見合った価値提供をします。

これら以外にも、特別な時間帯のみのタームセール、タクシーの深夜の割増、学生限定の学割や子供料金、シルバー割引、新幹線、飛行機などのグリーン席やビジネスクラスなど様々なセグメントの需要に対応した価格設定があります。

 

価格戦略 4.心理的価格設定