訪問販売、通信販売等、電話勧誘販、連鎖販売取引、
特定継続的役務提供、業務提供誘引販売取引、訪問購など、
消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、
事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルールを定め、
これにより、事業者による違法、悪質な勧誘行為等を防しし、
消費者の利益を守るための法律です。
特定商取引法の対象となる取引類型
①訪問販売
事業者が一般消費者の自宅等へ訪問して、
商品、権利の販売又は役務(サービス)の提供を行う取引、
キャッチセールス、アポイントメントセールス等。
②通信販売
新聞、雑誌、インターネット等で広告し、
郵便、電話等の通信手段により申込みを受ける取引の等。
*インターネット・オークションも含みますが、
電話勧誘販売に該当するものは除きます。
③電話勧誘販売
電話で勧誘し申込みを受ける取引の等。
*電話をいったん切った後、
消費者が郵便や電話等によって申込みを行う場合にも該当します。
④連鎖販売取引(マルチ・レベル・マーケティング:ねずみ講)
個人を販売員として勧誘し、さらに次の販売員を勧誘させるというかたちで、
販売組織を連鎖的に拡大して行う商品・役務(サービス)の取引等。
⑤特定継続的役務提供
長期・継続的な役務の提供と、
これに対する高額の対価を約する取引の等。
・エステティックサロン
・語学教室
・家庭教師
・学習塾
・結婚相手紹介サービス
・パソコン教室
の6つの役務が対象とされています。
*役務(えきむ:サービスのこと)
⑥業務提供誘引販売取引
仕事に必要であるとして、商品等を売って金銭負担を負わせる取引等。
⑦訪問購入
事業者が一般消費者の自宅等へ訪問して、物品の購入を行う取引等。
特定商取引法の概要
① 行政規制
事業者に対して、消費者への適正な情報提供等の観点から、
各取引類型の特性に応じて以下のような規制があります。
1)氏名等の明示の義務づけ
勧誘開始前に事業者名、勧誘目的であることなどを
消費者に告げるよう業者に義務づけられています。
2)不当な勧誘行為の禁止
不実告知(虚偽の説明)、重要事項(価格・支払い条件等)を故意に告知しなかったり、
消費者を威迫して困惑させたりする勧誘行為を禁止されています。
3)広告規制
業者が広告をする際には、重要事項を表示することを義務と
虚偽・誇大な広告を禁止されています。
4)書面交付義務
契約締結時等に重要事項を記載した書面を交付することを
事業者に義務づけられています。
②民事ルール
消費者と事業者との間のトラブルを防止し、その救済を容易にするなどの機能を強化するため、
消費者による契約の解除(クーリング・オフ)、取り消しなどを認め、
また、事業者による法外な損害賠償請求を制限するなどのルールを定められています。
1)クーリング・オフ
クーリング・オフは、申込みまたは契約後に法的書面受領日から一定の期間、
無条件で解約することが出来ます。
取引類型 | クーリングオフ期間 |
---|---|
①訪問販売 | 法的書面受領日を含めて8日間 |
②通信販売 | 規定なし |
③電話勧誘販売 | 法的書面受領日を含めて8日間 |
④連鎖販売取引 | 法的書面受領日を含めて20日間 |
⑤特定継続的役務提供 | 法的書面受領日を含めて8日間 |
⑥業務提供誘引販売取引 | 法的書面受領日を含めて20日間 |
⑦訪問購入 | 法的書面受領日を含めて8日間 |
2)意思表示の取消し
事業者が不実告知や重要事項を故意的に告知しないなどの違法行為を行った結果、
消費者が誤認し契約の申込み、または、承諾の意思表示をしたときには、
消費者は、その意思表示を取り消すことを認められています。
3)損害賠償等の額の制限
消費者が中途解約する際など、事業者が請求できる損害賠償額に上限を設定されています。
禁止行為等の詳しい内容は「消費生活安心ガイド」を検索し参照ください。