3.0のマーケティングは、ブランドとポジショニング、差別化のバランスのとれた三角形とされ、その三角形を完全なものにするために「3i]というコンセプトが打ち出されています。
3iモデル
3iは「ブランド・アイデンティティ」「ブランド・インテグリティ」「ブランド・イメージ」の頭文字のの3つのiを組み合わせたものになります。
・brand identity:ブランド・アイデンティティ
・brand integrity:ブランド・インテグリティ
・brand image:ブランド・イメージ
コトラーによれば、
「消費者が横に繋がっている世界では、ブランドはポジショニングを明確にするだけでは価値がない。ポジショニングを明確にすれば、ブランドは消費者のマインド内で明確なアイデンティティを持つだろうが、それは、必ずしも好ましいアイデンティティではないかもしれないからだ。ポジショニングは、本物ではないブランドに騙されないよう、消費者に注意を促す言葉にしか過ぎない。
つまり、この三角形は差別化なくしては、完全なものにはならないのである。差別化は、当該ブランドの真のインテグリティ(完全性)を反映したブランドのDNAだ。それは、ブランドが約束を果たしている確かな証拠であり、約束された性能や満足を顧客に届けるということだ。ポジショニングとの相乗効果を持つ差別化は、自動的に好ましいブランド・イメージを生み出す。マーケティング3.0は、完全な三角形だけが信頼性のあるものなのだ。」
この様に述べています。つまりこの3iを構築していくためには、その中にある「ブランド」「ポジショニング」「差別化」が確固たるものであり、またそれぞれが相乗的であることが必要になります。
①brand identity:ブランド・アイデンティティ
ブランド・アイデンティティには「ブランド」と「ポジショニング」によって成り立ちます。「ブランドを消費者のマインド内にポジショニングする」事、つまり、ポジショニングを明確にしブランドを認知させる事でアイデンティティの獲得を目指します。
また、競合他社がいる市場でブランドが消費者に認知され、さらに関心を引くためには、ポジショニングはユニークである必要があり、消費者のニーズや欲求に対し意味を持っていなければいけません。
*ユニークには、 「唯一の、一意の、固有の、特有の、独自の、独特の、類稀な、珍しい、 変わった」などの意味があります。
②brand integrity:ブランド・インテグリティ
ブランド・インテグリティは「ポジショニング」と「差別化」によって成り立ちます。
ポジショニングと差別化によって、主張を実現させる事、そして、そのためには「誠実さと約束を果たすこと」とブランドに対する消費者の信頼を醸成(じょうせい)することが必要で、ブランド・インテグリティは消費者の「精神」が標的となります。
*醸成(じょうせい):ある状態を徐々に作り出すこと
③brand image:ブランド・イメージ
ブランド・イメージは「ブランド」と「差別化」によって成り立ちます。つまりは消費者の「エモーション」をしっかり掴む事です。
*エモーション:心身が揺さぶられるほど強い感情、感激、感動。
ブランドの価値は、製品の性能、機能を超え「消費者の感情的なニーズ、や欲求にアピールするもの」である事が必要です。