まずは、そもそもブランドとはなんなのかですが、
ブランドとは、
「個別の売り手あるいは売り手集団の商品やサービスを識別させ、競合他社の商品やサービスから差別化するための名称、言葉、記号、シンボル、デザインあるいはそれらを組み合わせたもの」
とアメリカ・マーケティング協会は定義され、消費者の生活を向上させ企業の財務的価値を高めるうえで多くの重要な役割を果たしています。
そして、製品やサービスに「ブランド」の力を授け、他との差異を作るプロセスがブランディングであり、また、製品、サービスをブランド化させるためには、その製品、サービスに名称をつけ、さらに他のブランド要素も用いることで、その製品、サービスが「何者」であり「何」をするのか、消費者は「なぜ」それを気にかけるべきなのかを、消費者に教える必要があります。
つまり、ブランディングとは精神構造を作り、消費者が製品、サービスについて系統立った知識を形成し、意思決定が明確になるようにするのを助ける役割があります。また、なぜ「精神構造」かと言うとブランドは現実に根ざしてはいるが消費者の知覚と思い込みによって形成されるモノだかれです。
そして、これらを戦略的(ブランディング戦略)に成功させ、ブランド価値を創出するためには、ブランド間における意味のある違いを消費者に納得させる必要があり、他と同類と思われてはいけないということです。
ブランド・エクイティ
ブランド・エクイティとは、
「ブランドのマーケティングに対する消費者の反応にブランド知識が及ぼす差別化効果」
と定義でき、ブランドに関する要素を統合して「資産」としてとらえる考え方になります。そして、ブランド・エクイティには一般的に以下の要素があり、これらによってブランド価値が高まります。
1)ブランド・ロイヤリティ
消費者のブランドに対する忠誠度になり、それが高ければ消費者の反復購入を増加させることができます。
また、その他にかかるコストもブランド・ロイヤリティが高ければ抑えることが出来ます。例えば過度にプロモーションを行わなくてもリピート購入してくれるなどです。
2)ブランド・ネームの認知度
消費者にブランドを良いイメージで認識してもらう必要があります。認識が高ければ同カテゴリーの他社製品の中にあったとしても選んでもらえる可能性が高まります。
3)知覚される製品品質
消費者がブランドに対して知覚する品質で、より良い品質であると知覚されていればブランド・ロイヤリティにも影響をあたえます。また、付加価値の付いた価格維持が可能になり、幅広いブランドの拡張も可能になります。
4)ブランド連想
消費者がブランドに対し連想するイメージのことで、消費者が求めているライフスタイルなどがブランドから連想されれば重要な購入理由となります。例えば、ロレックスは成功者が多く身に着ける、高級で壊れにくい、かっこいいなど。
5)所有権のある資産
商標権、トレードマーク、チャネル関系などの強化は、競争業者が顧客やロイヤリティを奪うのを阻止できます。これらの要素を満たすことで消費者に信頼感、満足度、そして購入理由を与えることができ、それにより企業は過度なプロモーション活動、競争を避けそれらにかかるコストも抑えることができます。
まとめ
ブランドエクイティは消費者の反応により生まれてくるものなので、もし違いがあると思われなければコモディティ製品として分類されることになります。そうなってしまえば価格で勝負し「価格競争」になってしまいます。
これらの要素を確立していくために、最も根本にあるものは「「製品、サービスの期待パフォーマンスを提供する」と言う、消費者との約束とその保持」」で、ブランドの真の価値と将来の行く末は消費者とそのブランドに関する消費者の知識、そしてこの知識によって生じるマーケティング活動への消費者の反応にかかっています。
なので、消費者のマインドの中でブランドと結びつくさまざまなすべてを理解していくことが何よりも重要になります。